耐久性とは
耐久性とは、自然災害を除いた物理的、化学的な影響に対して、どれだけの期間抵抗できるかを示す性能です。
また、どれだけ長く保てるか、いかに劣化に抵抗できるかという性能を言います。
外壁や屋根への物理的、化学的影響は、雨、風、紫外線、気温、湿度、排気ガス、建物の揺れなどです。
これらの敵から抵抗してどれだけ家を守れるかを示す性能を耐久性と言います。
耐久年数
塗装の耐久年数は使用する塗料、建物の環境、施工品質によって左右されます。
メーカーで開発されて商品化された塗料はパンフレットなどに『20年の高耐久性を実現』 など耐久年数が記載された商品があります。
これはメーカーが塗料の耐久テストを行い、どれくらいの期間効果が保てるのかを公表している年数です。
ただしこの耐久年数は、塗装をして必ずしも20年安心できるという数値ではありません。
環境で耐久年数は変動する
使用する塗料が耐久性に優れた塗料だからといって安心はできません。
耐久性に大きく左右されるのが『環境』と『品質』です。
気象庁の観測によると、国内の紫外線量は観測を開始した1990年以降、増加傾向にあります。
近年では少し下がったり、大幅に上がったりと予測がつきにくい紫外線量と気温。
よく太陽光が当たるのは建物の南面や西面。
この2面は現地調査の際に、色褪せやチョーキング現象、シーリングの劣化が特に見られます。
このように環境によって建物に与えるダメージは変わり劣化スピードも違うことがわかります。
品質で耐久年数は変動する
最も耐久年数が変動する要因は品質だと考えられます。
屋根や外壁を塗装する前は必ず下地処理を行います。
苔や汚れを洗い流す高圧洗浄、ひび割れの防水処理。
鉄部の錆び落としや素材と塗料の密着を高めるためのケレン作業。
そして塗料は缶を開けて、刷毛やローラーで塗るだけではありません。
2液性の塗料は主剤となるAの塗料に添加剤や硬化剤のBを計量器を使用し、決まった数量を配合させる必要があります。
また、撹拌機(混ぜる工具)を使用し十分に攪拌が必要な塗料。
塗装は塗装前の万全な準備が必要です。
塗装の際も、十分に効果を発揮させるために必要な塗布量、乾燥時間や施工時の天候や気温、湿度。 高い品質で仕上げるには、いかにベストな状態で塗装ができるかが重要になります。
まとめ
耐久性、耐久年数は環境や建物の立地条件、品質によって大きく左右されます。
塗料メーカーも塗料の品質やブランドを守るため、メーカーから認められた塗装業者でしか販売されない塗料もあります。
実技講習や勉強会によって効果を発揮させるノウハウを学び提供する施工認定制度です。
塗装業界では、次々と高耐久塗料が発売されています。
質や効果が優れる塗料が発売されることは大変喜ばしいことです。
1回の塗装で15年、20年耐久年数が見込めると生涯の塗装工事の回数も減らせてコスト的にも魅力です。
ですが大事なのは、優れた塗料を最高のパフォーマンスで塗る技術です。 塗装業者の塗り手の技術力が耐久年数を左右する最も強い力になります。