外壁塗装時は、下地材のクラックの補修が、とても重要な工程になります。
クラックには大きく以下の4種類があります。
1. 構造クラック
構造的な欠陥や地盤の沈下、地震などの大きな揺れなどから発生する、建物の躯体(くたい、建築物の構造体のこと)や壁内を傷めている、深いヒビ割れです。
2. ヘアークラック
塗料の経年変化による収縮変動に塗料皮が追いつかなくなる際にできる、建物の躯体までは影響のない、表面上の髪毛のように細く、短いヒビ割れです。
3. 乾燥クラック
塗料の内部が乾燥しきらないうちに皮膜が乾燥して、素地の収縮変動に追いつかなくなった際にできる、建物の躯体までは影響のないヒビ割れです。
4. 縁切れクラック
外壁塗装時に一時作業を中断した箇所に生じる塗り継ぎ目に発生するヒビ割れです。こちらも建物の躯体までは影響ありませんが、状況によりクラック幅がコンマ数ミリと、広くなる場合もあります。
上記1の「構造クラック」が発生した場合は、放置すると建物が大きく揺れたり歪んでしまったりするため、躯体の修復を含めた工事が必要になります。
また単純にクラックを埋めただけですといかにも修繕したのがわかってしまい、見栄えがわるくなります。クラック工事と同時に元外壁と同様な模様パターンを付けていきます。
このパターンは外壁の元の状態、素材や建造年月によって大きく変わります。うまいへたはまさに職人芸になるでしょう。
クラック1
クラック2クラック32~4のクラックの場合は、コーキング(クラック部分を埋める充填(じゅうてん)剤)やフィラー(下地材の段差などの面調整や小さなクラック・巣穴を埋めるために使う塗料の一種)擦り込みで補修します。
ただし4の「縁切れクラック」でもクラックの幅がおよそ0.3mmを越す場合、躯体自体は大丈夫ですが、構造クラックの場合と同様の手間をかけた補修が必要です。